脳すごいぞ!ひらめきと記憶の正体2月4日NHKスペシャル





MCはタモリさん、山中伸弥先生、
ゲストは又吉直樹さん、菅野美穂さん、
アシスタントは久保田祐佳さんです。


image130.gif【脳すごいぞ!ひらめきと記憶の正体】

【ひらめき】

ゲストの又吉さんの脳は、
画像検査の結果、
言葉を司る縁上回という部位が、
通常の人のよりも3割多いことがわかりました。

そんな又吉さんは、
アイディアにつまるとしばしば散歩に出るといいます。
又吉さんが知人に尋ねて個人的に調べたことによると、
ひらめきが起こるのは、
散歩とお風呂に入っているときが圧倒的に多いということです。


■脳の活動

脳の神経細胞は1000億個もあるとされ、
相互に連携してネットワークを構築しています。
このネットワークの中を電気信号が流れることで、
記憶などの脳活動が行われます。

神経細胞と神経細胞の間には小さな隙間があるのですが、
その間をメッセージ物質が放出されて電気信号を伝えています。
メッセージ物質は10~100個ほどの種類があるとされています。


■ひらめき脳

ひらめきに関して画像検査で新しく分かったことがあります。
何かに集中しているときは、
電気信号は主に一か所で活動していますが、
ひらめいたときは、
ネットワークの電気信号がほぼ脳全体にわたって活動していました。

このようなひらめくときの脳と同じ状態にするには、
『何も考えないようにする』ということです。
何もせずボーッとすることが、
ひらめき脳をつくることにつながります。

何も考えていないときの脳は、活動をやめているのではなく、
脳の全体的なネットワークを働かせていると考えられています。
そして、このような状態でも、
脳は7割ほどのエネルギーを消費しているとされています。


■デフォルト・モード・ネットワーク

このように、
脳がとくに何もしていない状態を
『デフォルト・モード・ネットワーク』
といいます。

ただし、何もしなくてもひらめきがやってくる
と言うわけではありません。
ひらめきのためには、下準備も必要になるようです。

ひらめきの原理は、
大脳皮質にある記憶の断片を結びつけていくことにあるようです。

ですから、ひらめくためには、
記憶の断片をしっかりと蓄えておくことが必要となります。
多くのことに興味をもってさまざまな記憶を蓄えておくことが、
ひらめきのための大事な下準備となるのです。



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【記憶力】

記憶は、側頭部にある海馬の中の歯上回という部位と
深く関係すると考えられています。
最初の記憶は歯上回の電気信号の回路として蓄えられ、
それが数年をかけて大脳皮質に移されると考えられています。



■歯上回の活動を活発にするには

歯上回の働きを活発にするには、
歯上回に新しい細胞を増やすことです。
新しい細胞が増えると、
それが活発に働いて今までなかった場所にも
新しいネットワークを構築して
記憶力をアップさせることができるようになります。


しかも、すい臓から分泌されるインスリンがあると、
歯上回の細胞が早く成長することが分かってきました。
さらに、筋肉が出すカテプシンBという物質が
歯上回で新しく生まれる細胞を増やす働きがあると考えられています。

ですから、歯上回で新しい細胞を増やすためには、
バランスの良い食事をしてすい臓を健康に保つこと、
運動をして筋肉を鍛えることが重要です。

それが、記憶力アップにつながることになります。

この歯上回ですが、健康な人なら、
90歳くらいまで、
新しい細胞が生まれ続けることが確認されています。


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【認知症】

認知症とは、
脳のネットワークが失われることで、
記憶が失われていく病気です。

認知症の中でも最も患者が多いのがアルツハイマー病です。
現在、アルツハイマー病の治療薬として、
原因物質を取り除く薬の開発がなされていますが、
ひとつ大きな問題があります。

それは、脳の血管にはほとんど隙間がなく、
投与された薬の成分が脳に届けられないということです。
脳の中にはさまざまなメッセージ物質があるために、
外からの物質が容易には脳の血管を通過できない
ようになっていると考えられています。
ただし、脳の血管を通過できる物質もあります。
それが、『インスリン』です。

インスリンもそれ自体だけでは
脳の血管を通過することはできません。
インスリンが脳の血管を通過することができるのは、
血管にある突起にインスリンがとりついた時だけです。
この時、インスリンはカプセル状の膜に包まれます。

そうすることで、
血管壁に穴があいて突起と一緒に通過することができるようになります。
このようなカプセルを用いれば、
脳の血管を通過して薬を脳に届けることができるようになるとして、
研究が進んでいます。
近い将来臨床実験に入るとされています。




万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった NHKスペシャル・人体1月14日





MCはタモリさん、山中伸弥先生、
アシスタントは久保田祐佳アナウンサー
ゲストは田中将大さん、小島瑠璃子さんです。


image130.gif【万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった】

腸は全身の免疫を司る臓器でした。
腸の持つ神経細胞は脳の次に多く、
第二の脳と呼ばれています。
長さは8.5m、広げると大きさは約20畳分なります。


■腸の免疫機能

腸の免疫機能を担っているのは、
腸内細菌と免疫細胞です。

腸の表面は1mmのじゅう毛で埋め尽くされていて、
そこには100兆個の腸内細菌とともに、
じゅう毛の中に免疫細胞がびっしりつまっています。
体の中の約7割の免疫細胞が腸の中にあります。


■働き

病原菌などの侵入を察知すると、
免疫細胞が信号を出して
腸壁から殺菌物質を放出して撃退します。

また、腸の中では、
免疫細胞に対して
『腸の中にある物質が敵か味方かを認識させる訓練』
が行われていることも分かっています。


■2つの難病

◆ナターシャさん・女性のケース


自分の体の分泌物にまで過剰反応する
深刻なアレルギー症状に悩まされています。
その原因物質は、自分の汗、涙、花粉などさまざまなもので、
安全に食べられる食品は数種類しかありません。
原因は、腸内のいくつかの腸内細菌が少ないことでした。


◆尾崎さん・女性のケース

尾崎さんは多発性硬化症という難病を発症しています。
常にしびれがあり、寝ている間も震えているといいます。
進行すると失明したり言葉を話せなくなることもあります。
原因は、免疫細胞が脳の細胞を敵と勘違いして攻撃しているからで、
これもはやり、いくつかの腸内細菌が少なくなってるからだとされています。


■腸内細菌

腸内細菌は約100兆個、
善玉菌と悪玉菌と日和見菌などがいます。
代表的な腸内細菌であるビフィズス菌は、
腸内環境を良好に整える役割をし、
バクテロイデス菌は脂肪の吸収を妨げて肥満をふせいでくれます。


このような腸内細菌の中で、
ナターシャさんと尾崎さんの腸内で少なかったのが、
クロストリジウム菌でした。
この菌が少ないと免疫の暴走が起こることがあります。


■Tレグ

クロストリジウム菌がメッセージ物質を放出すると、
腸内でTレグと呼ばれる免疫細胞が生まれます。

Tレグは体の中で暴走している免疫細胞を見つけると、
暴走を食い止める物質を放出することがわかっています。
要は、免疫暴走のストッパー役です。

腸は免疫の活性化ばかりではなく、
ブレーキ機構をも司っていて、
免疫力をコントロールしていることが分かってきました。


■修行僧

修行僧はアレルギー反応が抑えられる傾向にあることが分かりました。
修行僧の便を調べたところ、
腸内にクロストリジウム菌が多くいることがわかりました。
さらに、クロストリジウム菌のエサである食物繊維を多くとると、
Tレグを量産することも分かってきました。
鍵は修行僧が食べる精進料理とされています。


■日本人の免疫パワー

日本人の食生活は、
古来より木の実や海藻など食物繊維が豊富なものでした。
その結果、日本人の腸内にはクロストリジウム菌のような
食物繊維をエサとする腸内細菌が多く住みつくようになっています。
それを示すように、
日本人の腸内細菌は、欧米人に比べて
免疫力をコントロールする能力が優れていることが分かりました。


■免疫システム

アレルギーは皮膚や呼吸器などで起こっている
症状だと考えられていましたが、
実は腸も含めた免疫システムの中で起こっている
症状とだ考えられ始めています。
そのことから、
腸が免疫をコントロールする力を取り戻すことができれば、
難病を克服できるかもしれないと考えられています。


■母乳

赤ちゃんの体の中では、
母乳によってビフィズス菌が急速に増えます。
これをかわきりに腸内細菌が増えて、
全身の免疫力をしだいに成熟させていきます。


■腸を元気にする

腸を元気にして免疫力を上げる基本的な方法は、
修行僧の精進料理を見習うことです。
要は、食物繊維の多い食事を心がけることです。
それが免疫力を高め、
アトピーをはじめとしたアレルギー症状ばかりではなく、
難病克服にすらつながる可能性が考えられています。




あなたもなれる健康長寿 NHKスペシャル10月29日





テーマは“健康長寿”です!
しかも、日本は世界一の長寿国で、
百歳以上の長寿者が多く住んでいます。
そんな長寿者から、
健康長寿の秘訣を探っていきます!

MCは三宅民夫さん(64)、
桑子真帆さん(29)
ゲストは日野原重明医師(105)


image130.gif【あなたもなれる健康長寿】

【健康長寿】

■センテナリアン

センテナリアンとは、
1世紀を生きた百歳健康長寿者のことです。
このセンテナリアンは、
老化がさまざまな方法で抑えられていると考えれていて、
今その研究が世界中で行われています。

現在のセンテナリアンは、
日本に65,692人、世界中で約450,000人です。


■田谷きみさん・101歳

田谷さんは今も和菓子店で働き、
接客からレジうちまでをになっています。

食事は1日3回、いつも決まった時間に食べ、
野菜中心で何でも好き嫌いなく食べています。
楽しみは、食べることと寝ることです。


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【慢性炎症】

慶応大学医学部教授広瀬信義先生は、
これまで800人を超えるセンテナリアンを調査してきました。

その結果、センテナリアンは血液中の炎症の度合いが、
一般の人の基準値0.3%に比べ、
0.03%と非常に低いことが分かりました。


■炎 症

炎症には2種類あります。
急性炎症といって怪我などにともなうものと、
ほかに慢性炎症といって加齢などにともなって増えるものですが、
前述の田谷さんは、この炎症の値が非常に低かったのです。

慢性炎症が進んだ人の血管は動脈硬化が進んでいますが、
炎症が抑えられている人は動脈硬化もほとんどみられませんでした。


■慶応大学の高齢者追跡調査

慶応大学では1500人の高齢者を10年間追跡調査しています。

この調査では臓器などと長寿の関係を調べていますが、
その中で長寿との関連が唯一がわかったのが
『慢性炎症』
でした。

慢性炎症が高い人は、
加齢とともに生存率が低くなり、
炎症率が低い人は長寿であることがわかっています。

慢性炎症の代表的なものが糖尿病で、
糖尿病者は長寿が難しいとされています。


■急性炎症

バイ菌の侵入や外傷などによる組織のダメージによるもので、
一定期間で治癒します。


■慢性炎症

細胞の老化、免疫応答の低下による非常に弱い全身の炎症です。
慢性炎症にはなかなか気づけません。

細胞が老化すると、
サイトカインという炎症を引き起こす物質が発生し、
周囲の細胞を老化させ炎症を広げます。

死んだ細胞からは老廃物が出され、
その蓄積が炎症の引き金になります。

人には、本来これらを取り除く機能がありますが、
加齢とともにその機能が衰えていきます。

人間ドックで測れる
CRPの値で、
慢性炎症の程度がわかります。


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【長寿の原因要因】

■長寿要因

双子でも寿命は大きく違うケースが多々見られます。
寿命は遺伝的要因が25%、
環境要因が75%です。



■慢性炎症の抑え方

長寿のホットスポットと呼ばれる地域で調査を行った結果、
特有の食事が長寿に関係していると考えられました。
長寿エリアの一つ地中海で食べられている地中海食を、
高齢者に1年間食べてもらいました。
その結果、
地中海食を食べ続けた人ほど、炎症が抑えられていました。

秘訣は、
地中海食に含まれる
◆魚
◆オリーブオイル
◆ナッツ
◆野菜


これらに含まれる、
◆オメガ3脂肪酸
◆ポリフェノール
◆リコピン


による影響です。
これらによって、
炎症を抑える成分が影響を与えたのではないかと考えられました。


■その他の長寿要因

ところが、意外な事実がわかってきました。
地中海食を食べても国によっては効果に違いがあることがわかりました。

食事の効果は、
人種、ライフスタイル、性別
などによって異なっていました。

中国のセンテナリアンが多く住む村での調査で、
重要な発見がありました。
この村のセンテナリアンの腸内細菌が
他の地域の人と違うことが判明したのです。

同じ物を食べても効果が異なるのは、
腸内細菌の違いによるものではないかと考えられています。

このことによって、
人種や遺伝子の違い、
腸内細菌の違いによっても、
食事の効果が違ってくることが分かってきました。



■典型的な和食のススメ

◆魚には抗炎症成分であるEPA、DHAが含まれています
◆ヒジキ、大豆、海藻、ミソ
 には抗炎症成分が含まれています


地中海食と和食は一見違って見えますが、
ともに炎症を抑える成分が豊富に含まれています。

ただし、体に良いとされる食材でも、
それひとつですべての健康効果をカバーできるわけではありません。
さまざまな食材をまんべんなくバランスよく摂ることが重要です。


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【健康長寿と運動】

イタリアにある男性センテナリアンが多い島での調査です。

この島にセンテナリアンが多い理由のひとつに、
運動量の多さがあります。
島の男性はほぼ1日8キロを歩きます。
急こう配が多い島の地形のため、
何度も坂道を上り下りします。
この負荷の強い運動が健康長寿に好影響を与えていると考えられます。

この島では90歳を超えても働いています。
運動が健康に良いことはこれまでも知られていましたが、
炎症を抑えることもわかってきました。


■微小循環

健康長寿者たちは
微小循環をもっていることがわかりました。

微小循環とは、
身体活動量の多い長寿の人の体を調べた結果、
見つかった特徴です。
毛細血管で起きている細かな血流のことで、
たまった老廃物を回収する役割り
に、
研究者たちの注目が集まっています。

この微小循環が慢性炎症につながる要因を取り除き、
老化のスピードを緩めている可能性が考えられています。


今年の研究によると、
長寿の人たちは心臓や腎臓などの臓器の機能は低下していました。
ところが、微小循環だけは優れた状態を保っていることが判明しました。


■微小循環と筋肉

筋肉を鍛えることは、
酸素の供給と老廃物の除去にプラスに働きます。

また、筋肉を鍛えることには血流を促す効果があります。
その結果、
老化細胞が作り出す炎症の原因物質をできる限り取り除いて、
慢性炎症を抑えることができます。

血流をよくすることで、
この作用の活性化が促されると考えられます。


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【慢性炎症と心】

慢性炎症を抑えることで大事なことのひとつは、
心の状態です。

ある研究報告によると、
満足感が慢性炎症を抑えるとしています。

そして、満足感にかかわる遺伝子が発見されました。
それが
『CTRA遺伝子群』
です。

この遺伝子が、
人がストレスを受けたときに活発に働き、
満足感を得たときに働きが緩やかになります。
そして、
人が満足感を得たときに、
慢性炎症が抑えられることがわかってきました。

人が生活の中で抱く満足感が、
慢性炎症と関係があることがわかったのです。


■満足感の種類と慢性炎症

満足感の種類によっては、
CTRA遺伝子群の働きが異なる場合があります。
むしろ、慢性炎症が進んでいる場合があると報告されています。
要は、炎症を抑える満足感と炎症を進める満足感があるということです。

満足感に2種類あります。
ひとつは、
食欲を満たす、買い物をする、
性欲を満たす、娯楽を楽しむなどの

『快楽型の満足感』

です。

この快楽型とは別に、
ボランティア活動、
家族を大切にするなどの
『生きがい型の満足感』
と呼ばれるものがあります。
人のためや社会へ貢献する姿勢で得られるこの生きがい型の満足感こそが、
炎症を抑える働きをすることがわかってきました。


人間は社会的な生き物です。
社会の中で生き、お互いに助け合うようにプログラムされていると
考えることができるとしています。

たとえば、買い物だとしても、それが人のためにやる買い物などは、
その動機が遺伝子に良い悪い影響を与えることがわかってきました。
それが、生きがいを感じることにつながります。

生きがいを感じることが、
慢性炎症を抑え健康につながることが分かってきたのです。



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【老年的超越】

長寿になると幸せな時間を持てることが分かってきました。

イタリアに暮らす116歳、
世界で唯一の1800年代生まれの女性センテナリアンがいます。

この14年間家から一歩も外に出られない状態で、
ほとんど寝て過ごすだけです。
それでも、
『ここでひとりでいることが幸せ』
と語っています。

最近の研究で、
センテナリアンの多くが、
『老年的超越』
という独特の心境に達していることがわかりました。



■100歳の宮川さん

宮川さんは、
1年前家族と別れて介護施設で1人暮らしです。
そんな宮川さんは
『今はなんでも楽しい。
 ここの生活で満足している』

と話し、さらに
『これまで平凡に暮らしてきたが、
 百歳で急に幸せになりました。
 百歳まで生きさせてもらって幸せ
 と感じています』

と話しています。


■加齢と幸福感

人は70歳を超えたあたりから、
極端に身体機能が衰えていきます。
それにもかかわらず、
80歳を超えたあたりから、
今の暮らしを肯定的にとらえるポジティブ感情が
高まり続けていくことがわかりました



■高齢者の心理特性

人の脳は、高齢になって記憶等を司る部位は衰えても、
感情を司る前帯状皮質は機能し続けています。

そこで、高齢者の心理状態を調べるある実験を行いました。
良い印象の写真と悪い印象の写真を、
高齢者と若者に見てもらってその違いを調べたのです。

若者は良い印象の写真も悪い印象の写真も同じように記憶しましたが、
高齢者は悪い印象の写真は忘れて、
良い印象の写真をより多く記憶する傾向にありました。

日野原先生は、こうおっしゃっています。
『年をとると、
 生きがいの感情が高くなってきます。
 100歳を超えると人生観が全く違ってきます』


さらに、
『ポジティブになり大きな生きる力が与えられる』
そうおっしゃっていますが、
そのような心境になったのは、
100歳になってからだともおっしゃっています。


■マルティン・ブーバーの言葉

日野原先生がブーバーの言葉を紹介してくれました。

『新しいことを
 創(はじ)めることを忘れない限り
 人はいつまでも若く生きることができる』



■プロダクティブ・エイジング

プロダクティブ・エイジングとは、
年をとっても健康のまま活躍し、
社会に貢献し続ける
“生涯現役人生”
のことです。

そして、
『これがゴールなのだ』
と、日野原先生はおっしゃっています。




キラーストレスから脳を守れ・NHKスペシャル6月19日






私たちを襲うストレス。
積み重なると、
命をも奪うキラーストレスになることが分かってきました。

さらに、最新研究から、
ストレスが脳を破壊することや、
心の病を発症させることもわかってきました。

今回はそんなストレスへの対処法を紹介します。

解説してくれるのは、
早稲田大学人間科学学術院
教授 熊野 宏昭先生です。


image130.gif【ストレスから脳を守れ!ストレス対処法】

■堀北さん男性のケース

クレーム対応係を任されてから4年がたったころでした。
夜眠れなくなったり、
夜中に突然目が覚めたりするようになりました。

会社に行くときに心ここにあらずというような状態になっていたりして、
やがて笑うことができなくなっていました。

まもなく、うつ病の診断を受けたのです。
ストレスは誰にでもあるものと我慢しているうちに、
うつ病を発症させてしまったのでした。


■ストレスからうつ病になるメカニズム

ストレスを受けると、
脳の中にある恐怖や不安を感じる扁桃体が活動を始めます。
そうすると、脳から指令が出て副腎がストレスホルモンを分泌します。
ストレスホルモンによって、
心臓の拍動を早め血圧を上げるなど、
さまざまなストレス反応を起こさせます。


このストレスホルモンの中で今注目を集めているのが、
コルチゾールです。
体内に分泌されたコルチゾールは脳にたどり着いて吸収されますが、
一定の量を超えると、脳の一部を破壊することが分かってきました。

ネズミをストレスに長くさらすと、
記憶や感情を司る海馬に変化がおきるようになりました。
海馬の神経細胞に損傷がもたらされるようになり、
それがうつ病の原因になるのではないかと考えられています。


■ストレス反応

太古の時代、人は生命の危機にさらされストレスを受けた時、
心拍数を上げるなどして体を俊敏に動かせるようにしました。
ところが、天敵がいなくなった現代、
天敵にかわって、
仕事などからストレスを受けるようになりました。
これが、絶え間ないストレスとなって、
コルチゾールの過剰分泌を促して、
脳を破壊したり障害を起こさせたりするようになったのです。


■マインド・ワンダリング

上司の厳しい叱責にあうと、
上司がいなくなっても、
あるいは家に帰ったあとも
「また叱られるかも」
と考え、ストレスを受け続けることになります。
このような現在(目の前)のことでないことを考えることを、
『マインド・ワンダリング』
といいます。

このマインド・ワンンダリングは生活時間の47%に及ぶとされています。
この時間が長くなると、
人は段々と落ち込んでいくようになります。


■ストレスの種類

ストレスには2種類あります。

◆『頑張る』ストレス
頑張るストレスが強くなると、
心臓血管系など体への反応が多く出るようになります。
アドレナリンなどが分泌されます。

◆『我慢する』ストレス
落ち込み、不安など心の反応が多く出るようになります。
コルチゾールがでて心が蝕まれるようになります。


■ストレスに強い人・弱い人

子供の頃に受けたストレスが多いほど、
大人になって扁桃体が大きくなるとされています。
これは、小さなストレスでも過敏に反応することを表しています。
子供の頃に多くストレスを受けた人は、
ストレスに過敏になりストレスに対して弱くなるとされています。


また、遺伝的に強い弱い人がいます。
さらに、規則正しい生活を送っている人の方がストレスに強いとされています。
また、すぐカーッとなる人、
欲しい物があると手に入るまでどうしようも我慢のできない人も
ストレスに弱いとされています。


【ストレス対処法】

■コーピング

ストレスがかかったときに、
どんな気晴らしをしたら気分が晴れるのかをリストアップします。


気晴らしは音楽を聴く、散歩をする、という簡単なことでOKです。
そして、なるべく多くリストアップすることです。
多くリストアップされていると、
実際にストレスを受けたときに、
そこから一番ふさわしい気晴らしを実施したり、
組み合わせて実施したりすることができます。


■コーピングプログラム

気分が晴れる行動をリストアップします。
その行動を実施した結果を10点満点で採点します。

たとえば、
散歩する:7点
などのようにです。

そうして、
点数の高い行動や、
ストレスの種類や気分などによって、
コーピングの行動を選択実施することができるようになります。

その結果、
うつ状態の予備軍的な人たちのストレス値が軽減しました。

これは、コーピングを行うことで、
扁桃体が活動するとともに、
脳の前頭葉が活性化して認知するようになった結果です。
これは、前頭葉が扁桃体に対して、
『そんなに頑張らなくていいよ』
と言っているようなものです。
このように、
自分のストレス対策を認知することが大事なのです。


■コーピング列挙例

気晴らしの例には以下のようなものがあります

◆行動のコーピング
木に触れる
歌を歌う
お気に入りのシャツを着る
炭酸水を飲む
歯磨きをする
散歩する
何もしない
軽い運動
緑を眺める
公園に行く
枝豆でビールを飲む
古い映画を見る
ネコをなでる
ネコの匂いをかぐ
同僚と飲んでぐちる
ネコの肉球をツンツンする
花屋の店先で花を眺める
区の無料コンサートに行く


◆認知のコーピング
郷里の母を思う
賞をとった時の感動を想像する
宝くじに当たったときのことを考える
初恋の彼女の姿をイメージする
初恋の彼女とばったり会ったときのことを妄想する
「イチローならどうする」と考える
ワールドカップの予想をする


実際に行動しなくても、
気晴らしになることを考える(認知のコーピング)だけでも、
効果はあります。

重要なことは、より多くのコーピングを挙げることです。
臨床心理士のアドバイザーは、
100のコーピングを挙げるようにと勧めています。


■マインドフルネス

メンタルヘルストレーニングとして、
大企業、学校、刑務所などでも取り上げられている対策法です。
アメリカストレス協会もストレス対策の柱として推奨しています。

■やり方

①リラックスした状態でイスに腰かけます

②体を左右に軽く振って力を抜き、背筋を伸ばして座ります

③目を軽く閉じ、顔の力を抜いていきます

④呼吸に意識を向け、その状態を感じるようにします
 ただ呼吸を感じるようにします
 息が鼻を通った、お腹が膨らんだ、お腹が平らになった
 胸が大きく膨らんだり元にもどったりなどのようにです

⑤そのうちに雑念が浮かんできますが、
 それを払って呼吸に意識を戻してください

⑥空気の動きや部屋の広さなど周りの空間に注意を広げてから、
 ゆっくりとまぶたを開けていきます


まず10分間からスタートします。
このプログラムでは通常8週間を1つの実施期間としています。

マインドフルネスは、今に意識を向けることで、
マインド・ワンダリングのような
過去のいやなことを思い出す時間を減らすことができます。
その結果、脳に良い変化が起きていることもわかりました。

感情にかかわる海馬の一部で増加が認められたのです。
これは、ストレスで萎縮した海馬が回復する可能性が出てきたということです。
しかも、扁桃体が小さくなることもわかってきたことから、
ストレスにも強くなることが期待できるようになってきました。