悪性リンパ腫 4月19日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
国立がん研究センター中央病院 
血液腫瘍科長 伊豆津 宏二先生です。


image130.gif【悪性リンパ腫】

【悪性リンパ腫とは】

血液細胞の中の赤血球や白血球、血小板などのうち、
白血球の一種であるリンパ球ががん化するのが、
悪性リンパ腫です。
年間約3万人は発症し、高齢になるほど増え、
女性より男性が多いのが特徴です。


リンパ球は体外から侵入した異物や病原体を排除する免疫細胞で、
B細胞、T細胞、NK細胞などがあり、
主に非保ホジキンリンパ腫とホジキンリンパ腫に大別されます。


■症状

悪性リンパ腫は、
リンパ腫の腫れやしこりで気付くことが最も多くあります。
がん化したリンパ球が主にリンパ節で塊を作るからです。
多くの場合、首や脇の下、太ももの付け根で、
ほとんどの場合痛みはありません。

のどの炎症が起きた時などに1cm程度腫れることはありますが、
2~3cm以上の場合は、悪性リンパ腫の可能性があります。
大きいほど悪性の可能性が高くなるため注意が必要です。
腫瘍の場所によって臓器の働きが障害されたり、
発熱、体重減少、大量の寝汗などの症状が現れることもあります。

腫れやしこりに気付いたり、このような症状がある場合は、
まずかかりつけ医など内科を受診してください。
首のリンパ節が腫れている場合は、
耳鼻咽喉科でもいいでしょう。

そこで専門的な検査が必要になった場合は、
血液内科や血液腫瘍科などを紹介してくれます。


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【検査と治療】

■検査

◆病理検査


しこりのあるリンパ節や腫瘍の組織の一部を切り取って、
顕微鏡で調べます。


◆血液検査

悪性リンパ腫に関係する数値や、肝臓や腎臓の機能を調べ、
抗がん剤の治療に耐えられるかなど、全身状態をチェックします。


◆画像検査

CT検査、PET(ペット)検査、MRI検査、
超音波検査など、腫瘍の大きさや位置などを調べます。


■治療

悪性リンパ腫の治療は、治療の内容にもよりますが、
一般的には通院で行われ、中心は薬物療法です。
これに加え、放射線療法や造血幹細胞移植が行われます。



◆薬物療法

抗がん剤でがん細胞の増殖を抑えて消滅させる治療法で、
ステージごとに投与の回数が決められます。

主な副作用として脱毛、手足のしびれ、
抗がん剤による白血球の減少により感染症のリスクが高まります。


◆放射線療法

放射線を当てて腫瘍の成長を遅らせたり、
縮小させる治療です。

全身的な影響が少なく、高齢者でも受けることができます。


◆造血幹細胞移植

大量の薬物療法や全身への放射線療法を行うと、
血液細胞を作る骨髄の機能が低下します。
そこで、事前に自分の骨髄から造血幹細胞を採取しておき、
治療後に体内に戻して骨髄の機能を回復させる治療法です。


■最新治療

がん細胞に特異的に働く分子標的薬が注目されています。
2014年にホジキンリンパ腫薬のブレンツキシマブベドチン
2016年にマントル細胞リンパ腫の新薬イブルチニブ
承認されています。




肉腫(サルコーマ) 4月18日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
国立がん研究センター中央病院 
骨軟骨腫瘍・リハビリテーション科長 川井 章先生です。


image130.gif【肉腫(サルコーマ)】

【肉腫(サルコーマ)とは】

肉腫は、骨や脂肪、筋肉などにできる悪性の腫瘍です。
骨にできる骨肉腫と、筋肉や脂肪、血管などの
軟部組織にできる軟部肉腫に大別できます。

代表的な症状は腫れや痛みです。
触ると温かかったり、
硬いしこりで気付くことが多くあります。


■骨の肉腫

多くの種類がありますが、
比較的多い物に骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫があります。


◆骨肉腫
10~20代に多く、
膝や肩の周囲に多く発生します。



◆軟骨肉腫
40代以上に多く、
大たい骨、骨盤、上腕骨に多く発生します。



◆ユーイング肉腫
20代以下に多く、
大たい骨、骨盤、脊髄に多く発生します。



■軟部肉腫

最も多いのが脂肪に発生する脂肪肉腫で、
中高年から高齢者に多くみられます。

ほかには、平滑筋肉腫、粘液腺肉腫等が多く、
高齢者に多くみられます。


◆症状

痛みのないしこりや腫れが主な症状です。
しこりはコブの多くは良性(良性軟部腫瘍)ですが、
5cmを超えるようなしこりや、
硬いしこり、次第に大きくなるようなしこりがあれば、
悪性である可能性も疑って医療機関を受診することが勧められます。



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【検査と治療】

■検査

問診や血液検査、画像検査の後、最終的には、
腫瘍組織を採取して
顕微鏡で詳しく確認する生検を行って診断します。


■治療

◆手術


再発の可能性を低くするために、
腫瘍の周囲の健常な組織を含めて、
広い範囲を切除します。
手術による軟部組織や骨の欠損多い場合は、
人工血管等の組織を移植したり、
人工関節などによる再建が行われる場合があります。



◆薬物療法(化学療法)

骨肉腫やユーイング肉腫などには、
抗がん剤が有効です。

腫瘍の組織の型に合わせて、
適切な抗がん剤を組み合わせて使います。


◆放射線療法

体外から腫瘍に放射線を照射して死滅させます。
腫瘍の大きさや場所によって、
手術で完全な切除が難しい場合に行われることがあります。

また、切除できない肉腫に対して、
重粒子線治療が保険適用となっています。


◆希少がんホットライン

国立がん研究センターでは、
希少がんに関する電話相談を受け付けています。

電話番号:03-3543-5601
時間:平日9時~16時
相談は無料ですが、通話料がかかります。





小腸がん 4月17日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
国立がん研究センター中央病院 消化管内科 
本間 義崇先生です。


image130.gif【小腸がん】

【小腸がんとは】

小腸がんは患者数が非常に少ない希少がんです。
早期発見が難しく、
進行した状態で見つかるケースがほとんどです。
腸閉そくによる腹痛や吐き気、嘔吐、下血や貧血
と言った症状をきっかけとして受診して、
発見される場合が多くあります。

早期発見が難しい理由は、
初期には自覚症状が少ないこと、
内視鏡が小腸まで届かないこと

検診による発見が難しい点が挙げられます。


■小腸がんのタイプ

食べ物の栄養は小腸の壁から吸収されます。
小腸などの消化管の粘膜には、
内分泌細胞と言う細胞があり、
消化を助けるためのさまざまなホルモンを分泌しています。

小腸にできるさまざまな悪性腫瘍を総して小腸がんと呼びます。
その中でも、特に多いのが内分泌細胞から生じる神経内分泌腫瘍と
小腸の表面・粘膜の層から生じる腺がんです。


■神経内分泌腫瘍

神経内分泌腫瘍は、
その悪性度によってNET(ネット)と
NEC(ネック)に大きく分かれます。


◆NET

自覚症状がでることは少ないとされていますが、
症状はさまざまで、顔の紅潮やほてり、
下痢や腹痛などが起こります。
また、腫瘍が大きくなることで
腹痛、下血、肝臓の異常などで発見されることがあります。


◆NEC

悪性度が高い腫瘍で、
腫瘍が小さいうちからほかの臓器に
転移することも少なくありません。
腫瘍が大きくなるスピードが早いため、
多くの場合進行した段階で見つかります。


■腺がん

初期には症状が現れにくく、
がんが進行して腸閉そくや出血などをきっかけに
診断されることが多くあります。


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【検査と治療】

■検査

まず、問診で病歴などを詳しく聴きます。
そのうえで、カプセル内視鏡検査を行います。
小腸がんが強く疑われる場合は、
ダブルバルーン内視鏡のよる直接観察や組織の採取、
NETが疑われる場合は
ソマトスタチン受容体シンチグラフィーなどの検査が行われます。


■治療

◆NET


転移がない場合は、外科出術を行います。
手術が行えない場合は、
薬による治療が中心となります。


◆NEC

抗がん剤治療が中心です。
抗がん剤とあわせて外科手術が行われることもあります。
抗がん剤の副作用として、
食欲低下、吐き気、だるさ、下痢等がある場合もあります。


◆腺がん

悪性度が高く、
約半数の患者さんが診断時に
すでにほかの臓器に転移しているとされています。

進行度によって、
内視鏡治療、手術、抗がん剤治療が行われます。




悪性脳腫瘍4月16日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科長 
成田 善孝先生です。


image130.gif【悪性脳腫瘍】

【悪性脳腫瘍とは】

頭蓋骨の中にできる腫瘍を脳腫瘍といい、
年間の患者数は2万人程度と考えられています。
約半数が悪性脳腫瘍で、
そのうち最も多いのが神経膠腫(グリオーマ)
で、
発症率は10万人あたり4~5人という希少がんです。

脳腫瘍は、脳やその周辺から発生する原発性脳腫瘍と、
他の臓器で発生したがんが脳に転移する転移性脳腫瘍に大別されます。


■症状

良性でも悪性でも、脳腫瘍が大きくなると、
体の片側にまひやしびれなどの特徴的な症状が現れます。

◆片方の手足や顔半分のまひ・しびれ
◆歩けない、ふらつく、力はあるのに立てない
◆ろれつが回らない
◆言葉が出ない、人のいうことが理解できない
◆視野が欠ける、物が二重に見える
◆けいれん発作(てんかん)
◆頭痛、吐き気


■自己チェック法

□片足立ちをして、
 ふらついたりしてきちんと立つことができない

(両方の脚で交互に行う)

□箸やペンがしっかりと持てない

この2点のどちらかに当てはまる場合は、
脳神経外科か神経内科を受診してください。


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【検査と治療】

■検査

◆問診

症状等の詳しい経過や他の病気等について尋ねます。


◆神経学的検査
片足立ちテストや話し方、視野チェックなどで、
脳のどこに腫瘍があるのかを推定ます。


◆画像検査
造影剤を使ったCT検査やMRI検査を行って、
悪性化どうかなどを判断します。


◆病理検査
手術で頭蓋骨の一部を外して腫瘍の組織を採取し、
詳しく調べて原因となる病気や悪性度を診断します。


■治療

◆手術

手術法の進歩によって、
以前より腫瘍を安全に切除できるようになりました。


●覚醒下手術

脳の言語や運動の機能を温存するために、
患者さんと対話しながら、
言語を司る部位などをさけて行います。



●術中脳波・筋電図モニタリング

脳や手足を刺激して、
脳波や筋電図を記録しながら手術を行うことで、
手足のまひが残らないようにします。


●術中蛍光診断

手術前に特殊な薬を飲むことで、
光を当てると腫瘍が赤く光るようになります。
腫瘍の場所がわかりやすくなり、
より的確な切除や取り残しがないかの確認に役立ちます。


●術中MRI

MRIで脳を確認しながら手術を行うことで、
腫瘍の取り残しを防ぐのに役立ちます。


◆放射線治療

切除しきれなかった病変を小さくしたり、
増殖を抑えるために、正常の脳組織に影響しないよう、
少量の放射線を繰り返し照射します。
副作用として、
だるさ、食欲低下、吐き気、脱毛、皮膚炎、
内耳炎・中耳炎などがある場合があります。


◆抗がん剤治療

悪性脳腫瘍の中でも悪性度が最も高い膠芽腫に対しては、
放射線治療とあわせて抗がん剤治療が行われます。
まずは、テモゾロミドという薬を6週間毎日服用し、
その後は「4週間おきに5日間服用」を1年間続けます。

副作用として、
肺炎などの感染症、貧血、あざ・鼻血、食欲低下、
吐き気、全身のだるさ、便秘などがある場合があります。
治療を終えた後も、脳の状態や再発の有無を確認するために、
定期的にMRIによる画像検査を受ける必要があります。