動脈硬化・血管に何が起こる?10月1日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
りんくう総合医療センター病院長 山下 静也生です。


image130.gif【動脈硬化・血管に何が起こる?】

【動脈硬化】

血管の壁の内側に、血液中のコレステロールなどが入り込み、
プラークという膨らみを作るのが動脈硬化です。

プラークが大きくなると血管がせまくなり、
血液の流れが悪くなります。

さらに、プラークの膜が破れて、
血液の塊(血栓)ができて血管の内側につまると、
その先に血液が流れて行かなくなり、
さまざまな障害が起こります。


■冠動脈の動脈硬化

動脈硬化はどの血管にも起こりますが、
中でも深刻なのは心臓の冠動脈です。
冠動脈で動脈硬化が進んだ症状が狭心症です。
軽い運動をしただけで胸に圧迫感を覚えたり、
胸が痛くなったりします。

さらに症状が進んでプラークが破れ血栓が詰まると、
心筋梗塞を発症します。

発作が起こると、
胸が締め付けられるような激しい痛みが生じます。
また、血栓が詰まった場合は、
その先に血液がいかなくなって壊死し、
最悪の場合突然死につながることもあります。


■進行させる要因

コレステロールは体に必要な脂質の一つです。
主に肝臓で作られ、血液にのって体中に運ばれますが、
油であるために血液に溶けにくく、
LDLという粒子に含まれた形で血液中に送り出されます。



◆LDL

LDLは、かたよった食事や運動不足、体質、
そのほかの要因によって増えすぎることがあります。
余分なLDLは、変性して血管内に入り込み、
動脈硬化を引き起こします。

そのために『悪玉』と呼ばれています。


◆HDL

細胞の中の余分なLDLは、
HDLという粒子によって回収されて肝臓に戻されます。

そのためにHDLは『善玉』と呼ばれています。
HDLが減少すると動脈硬化が進みます。


◆中性脂肪

中性脂肪も脂肪の一つで、
増えすぎると肥満の原因となります。
中性脂肪が過剰になると、
LDLが小型化してより血管内に入り込みやすくなります。

さらに、中性脂肪の増加はHDLの減少を招き、
動脈硬化を起こしやすくします。



■診断基準

コレステロールや中性脂肪の値は、
空腹時の血液検査で調べます。

●LDLコレステロール:140mℓ/dL以上
●HDLコレステロール:40mℓ/dL未満
●中性脂肪      :150mℓ/dL以上


上記のどれか1つでも当てはまれば、
脂質異常症と診断されます。


この中で、LDLコレステロールが
狭心症や心筋梗塞に
最も大きく影響するため注意が必要です。



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【危険因子】

■高血圧

高血圧になると、
血管の壁が強く圧迫される状態が続くことになります。
そのために、血管が傷つきやすくなり、
プラークが破れやすくなります。



■高血糖

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、
血液中のLDLにブドウ糖が結合して変性し、
血管壁内に侵入しやすくなります。



■喫煙

喫煙は、動脈硬化にともなう狭心症や心筋梗塞、
脳卒中などの発症リスクを上げる要因です。

受動喫煙でも、同様にリスクを上げることが分かっています。


■メタボリックシンドローム

脂質異常症や高血圧、高血糖が重なって起こるのが
メタボリックシンドロームです。
一つ一つのリスクは大きくなくても、
重なることで動脈硬化が進み、
心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすくなります。



■そのほかの病気

◆慢性腎臓病


糖尿病や高血圧が背景にあって、
腎臓の働きが低下する病気です。
進行すると透析が必要となるだけではなく、
心筋梗塞や脳梗塞が起きやすくなります。



◆高尿酸血症

血液中の尿酸の量が過剰に増える病気で、
痛風発作を引き起こします。

動脈硬化の危険因子と考えられています。


◆睡眠時無呼吸症候群

睡眠時に一時的に呼吸が止まる病気で、
動脈硬化が進行しやすくなるとされています。


■加齢

動脈硬化の最大因子は『加齢』とされています。
脂質異常症などがなくても、
加齢にともなって動脈硬化は少しずつ進んでいます。
高齢になるに伴って、
心筋梗塞などが起こる可能性があります。


■男性

男性は動脈硬化の起こるリスクが高く、
女性の約3倍も心筋梗塞が起こりやすいとされています。

女性の場合は女性ホルモンが
LDLコレステロール値の上昇を抑えていますので、
閉経後は動脈硬化が進む可能性があります。