目の老化 9月19日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
関西医大学教授 高橋 寛二先生です。


image130.gif【目の老化】

【加齢黄班変性】

加齢黄班変性とは、
加齢に伴って網膜の中心にある黄班と呼ばれる部分が障害され、
深刻な視力低下を引き起こす病気です。

黄班は視神経がたくさん集まっている場所で、
物の形や大きさ、色などを識別する働きがある重要な場所です。

50歳頃から発症の危険性が高くなりますが、
40歳代後半から発症することもあります。
放置しておくと、
日常生活が困難なほどの視覚障害につながる恐れがあります。


■症状

多くの場合、まず片方の目に発症し、
『物がゆがんだり波打って見える』
『視野の中心が暗くぼやけて見える』
などの異常な見え方が現れます。

片方の目に異常が起こっても、
もう片方の健康な目が見え方を補ってくれるため、
両方の目で見ていると、
症状が進行するまで気づきにくことが少なくありません。



■アムスラーチャートによるチェック

50歳を過ぎたら、半年に1度を目安に、
自己チェックをするようにしてください。
自己チェックはアムスラーチャートによって行います。
アムスラーチャートとは、
紙の表に、
一辺1~2cmほどの正方形のマスを書きならべた物で、
中心に小さく黒い点を入れます。

それを片目で見ていきます。

●線がゆがんで見えていないか
●中心点ははっきり見えているか
●欠けている部分はないか


などをチェックしていきます。
1つでも当てはまれば、
加齢黄班編成の疑いがありますので、
眼科を受診してください。

アムスラートチャートがない場合には、
障子の桟やお風呂場のタイルの格子状の物を
片目ずつ見る事でもチェックできます。


■タイプ

加齢黄班変性は、
滲出型(約90%)と萎縮型(約10%)に分けられます。


■滲出型

黄班は代謝が盛んなために老廃物がたまりやすいとされています。
老廃物がうまく処理されずにたまると、
新生血管が発生しやすくなります。
新生血管はもろいため、出血したり、
血液中の水分がしみ出て、
くぼんでいる黄班が盛り上がってきます。

進行しやすいタイプで、
突然症状が現れて視力低下が進んだり、
発症から1~2年で
視野の中心がほとんど見えなくなることもあります。



■萎縮型

黄班の視神経や網膜色素上皮細胞など周辺組織が傷んで萎縮し、
黄班の機能が低下します。
一般的に萎縮は5年以上かけて進行しますが、
現在治療法がないため予防が重要となります。


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【治療と予防】

■抗VEGF

最初に抗VEGF薬の注射が検討されます。
VEGFはタンパク質の1種で、
血管の発生や成長を助ける作用がある物質です。
黄班の新生血管の発生や成長を抑えて、
加齢黄班変性の進行と視力低下を防ぎます。


角膜から少し離れた位置から目の中に直接薬を注射しますが、
麻酔を十分に効かせ、細い針で注射しますので、
痛みはほとんどありません。
治療時間は5分ほどです。



■光線力学療法

抗VEGF薬療法を行っても十分な効果が得られない場合や
抗VEGF薬を使用できない場合などは、
レーザーを用いる光線力学療法が検討されます。


まず、光に反応する薬を腕から点滴で投与します。
薬は黄班の新生血管に集まるため、
その状態で新生血管だけを狙って弱いレーザーを当てると、
薬が光に反応して新生血管をふさぎます。

光線力学療法を行ったあとは、
光に反応する薬が体内に一定期間残っています。
そのため、日光などの強い光にあたると薬が光に反応して
光線過敏症が起こることがありますので、
薬を投与してから48時間以内は、
強い光に当たらないように注意が必要です。


■予防

加齢黄班変性を完全に予防することは難しいのですが、
予防につながる生活習慣には次のようなものがあります。

◆禁煙

喫煙は加齢黄班編成を引き起こす危険性を
確実に高めるとされています。


◆太陽光線をさける

黄班は光が集まる場所なので、
光が当たる場所に長くいると、
黄班に悪影響を及ぼします。



◆食生活の見直し

肥満は加齢黄班変性のリスクを高めるとされ、
特に脂質の多い欧米型食生活は避けた方が良いとされています。
一方、抗酸化作用のあるビタミンC・E、亜鉛、ルテインには、
加齢黄班変性の進行を抑える作用があることがわかっています。
これらの成分を多く含む緑黄色野菜などを積極的にとることをお勧めします。


◆ロービジョンケア

両目の視力が低下している場合は、
残っている目の働きを引き出すための
ロービジョンケアという次のようなリハビリを行います。

●物を見やすくするための訓練
●視力の低下を補う補助具の選び方や使い方の指導など


加齢黄班変性では、黄班以外の網膜の機能は残っていますので、
見たいものから少し視線をずらすと見やすくなります。
文字を読むときは拡大鏡を用います。
視力が低下している場合は、
コントラストをはっきりさせると、
認識しやすくなります。