すい臓がん早期発見 8月8日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
和歌山県立医科大学教授 山上 裕機先生です。


image130.gif【すい臓がん早期発見】

【すい臓がん】

すい臓がんは、がんの中で4番目に死亡者が多く、
診断されてから5年後に生存している人の割合は
7.7%
です。

すい臓がんは5年生存率が非常に低いがんで、
理由は早期発見が難しいことにあります。
すい臓は胃の裏側にあって、
超音波検査でも鮮明に映し出すことがなかなかできないのです。

症状としては、
腹痛、黄疸、背中や腰の痛み、体重減少、
食欲不振などがあります。

ただし、症状が現れたときには、
多くの場合かなり進行しています。
また、腹痛があっても本人も医師もすい臓がんとは思わずに、
発見が遅れることもあります。


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【早期発見の手順】

■手順①

◆すい臓がんの血縁者


血縁者にすい臓がのある人がいる場合は、
すい臓がんになる確率が高くなります。

特に親や子、兄弟姉妹に
すい臓がんを発症した人が2人以上いる場合は、
リスクは7倍以上とされています。


◆慢性すい炎

次に慢性すい炎がある人です。
慢性すい炎があるとリスクは約12倍になります。
そのほかに、肥満、喫煙、大量飲酒なども、
すい臓がんのリスクになります。


◆腫瘍マーカー

がんによって血液中に増える物質を腫瘍マーカーと言います。
すい臓がんでは、CA19-9が知られています。
この値は早期には異常が出ない場合もありますが、
高くなっている場合はすい臓がんが疑われます。


◆糖尿病

すい臓はインスリンを分泌することから、
すい臓がんになるとインスリンの分泌が減り、
血糖値が高くなります。
特に60代位で初めて糖尿病を発した場合や、
糖尿病が急に悪化したような場合は、
すい臓がんのサインである可能性があります。
すい臓がんと診断された人の4人に1人は、
もともと糖尿病があったことがわかっています。


■手順②

血縁者にすい臓がんがある人や慢性すい炎、糖尿病のある人、
さらに腹痛の自覚症状のある人は、
検査をお薦めします。

よく行われているのが腹部超音波検査です。
体の負担が少ないと言うメリットがあります。
ただし、早期のすい蔵がんその物が写ることはあまり多くありません。
しかし、すい臓がんが疑われる病変を見つけることができます。


◆すい管の拡張とすいのう胞


すい臓がんが疑われる病変は、
すい管の拡張とすいのう胞です。
すい臓がんの大半はすい管に発生し、
そのためにすい管がつまり、結果拡張することがあります。
すいのう胞はすい臓やその周囲にできる病変です。

多くは良性ですが、がんに関係している場合もあります。


◆IPMN

IPMN(すい管内乳頭粘液性腫瘍)という、
すい管の中にできる特殊なポリープのような塊を形成したり、
多量の粘液を分泌したりすることがある腫瘍で、
がんに変化することがあります。

また、IPMNがあると、
すい臓内のほかの場所にがんができることもあります。


■手順③

すい臓がんの精密検査として、
CT検査、MRI検査、超音波内視鏡検査などが行われます。

超音波内視鏡検査では、
口から挿入した内視鏡の先端部分から超音波を発信し、
すい臓を画像化することで鮮明な画像を得ることができます。
さらに、内視鏡から出した針をすい臓に刺して、
がんの組織を採取することこともでき、
検査してがんであるかどうかをはっきりさせることが可能です。


◆早期発見で生存率アップ

すい臓も早期発見ができれば生存率は高まります。
がんの直径1cm以下で手術できれば、
5年生存率は約80%とされています。
1~2cmの場合でも50%とされています。

精密検査の結果、
すい管の拡張やすいのう胞はあっても
すい臓がんが見つからないと言う場合は、
できるだけ3カ月~3カ月半おきの精密検査を継続するようにします。