ゆっくり進行!慢性すい炎 8月7日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
関西医科大学教授 岡崎 和一先生です。


image130.gif【ゆっくり進行!慢性すい炎】

【慢性すい炎】

すい臓のすい液は、木の枝のような細いすい管を通り、
最後は幹のような太いすい管に集められ、
十二指腸に分泌されます。
慢性すい炎を発症すると、すい管の末梢部分のあちこちで、
小さな炎症が起こります。
アルコールなどの影響を受けてすい液が変質し、
すい管を詰まらせるためだとされています。

また、急性すい炎を繰り返すことでも慢性すい炎になります。

慢性すい炎は進行すると、すい管自体が傷んで拡張します。
変質して固まったすい液の成分が石灰化したり萎縮したりします。
このようにすい臓が壊れてしまうと、
回復することができなくなります。


また、食べた物を十分に消化できなくなり、
特に脂質を溶かすリパーゼが多く含まれているため、
脂質を十分に分解できなくなります。

日本では1万8千人が慢性すい炎となり増加傾向にあります。
患者は中高年に多く、男性は女性の4.6倍です。
原因はアルコール摂取にあるとされています。


■症状

◆初期


みぞおちからへその辺りに上腹部痛が起こります。
飲酒、暴飲暴食、脂質の多い食事などが腹痛のきっかけとなり、
激しい痛みが続くこともありますが、
腹部の膨満感や重圧感が続くこともあります。


◆後期

5~10年ほどかけて後期に進行しますが、
飲酒は進行を早めます。

すい臓の組織が壊れるために炎症は起こりにくくなり痛みは軽減しますが、
消化酵素が分泌されにくくなるため、
下痢、脂肪便、体重減少といった症状が現れます。
また、インスリンの分泌が減ることから糖尿病を発症したり、
悪化させたりします。
さらに、慢性すい炎が進行してできた石が、
痛みの原因や病気を悪化させる原因となることもあります。
診断には、問診と血液県、尿検査、画像検査を行います。


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【治療】

■早期発見

慢性すい炎のある人は、
すい臓がんを発症するリスクが12倍になることが分かっています。
予防のためには定期検査が重要で、
血液検査に加えて、超音波内視鏡検査を受けることが有効です。


◆検査が勧められる人

●大量に飲酒する
●急性すい炎をを経験したことがある
●慢性の腹痛があるが原因不明
●健康診断でアミラーゼなど消化酵素の値が高い



■治療


まずは禁酒をします。
喫煙者は喫煙します。


初期は、脂質の多い物や刺激の強い物は避け、
食べ過ぎなようにします。
また、腹痛を抑えるための鎮痛薬が使われます。
アミノ酸などを配合した
成分栄養剤には腹痛を和らげる効果もあります。
たんぱく分解酵素阻害薬は炎症を抑えます。

後期は低下した消化機能を補う薬が中心で、
すい消化酵素補充薬、胃酸分泌抑制薬、
ビタミン剤などを用います。
また、すい石が詰まっている場合は除去し、
すい液などがたまったすい仮性のう胞がある場合は、
液体を除去する治療が行われます。