どう接する?心の悩み 8月2日今日の健康NHK

mig・今日の健康.jpg




MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
東京都立小児総合医療センター
児童・思春期精神科 医長 森野 百合子先生です。


image130.gif【どう接する?心の悩み】

【思春期のうつ病】

思春期とは一般的に中高生以上を指します。
気持ちが不安定になりやすい時期で、
この時期の子供のうつは決して少なくないとされています。
しかも、いったん治っても大人になって再発する恐れがあります。

うつ病は環境的な要因と性格的な要因
生物学的な要因が複雑にからまって発症します
が、
子供の場合は環境的な要因が大きく関わっています。

●進路の悩み
●学校の友達や教師との人間関係
●部活動の悩み
●両親の不和や家族の病気
●ネグレクト(育児放棄)


などさまざまです。
子供たちの間でも『勝ち組』『負け組』という考え方があり、
クラスの中で序列ができてしまうことも一因になっています。

性格的な要因としては、

●頑張りすぎ
●完璧主義
●物事を悲観的にとらえる傾向


などが関係していることがあります。


■症状

成長期には親や大人に反抗的な態度を見せる子供が多いですが、
急に乱暴な言動をする場合は、うつ病の可能性があります。

●やる気がでない
●楽しみの喪失
●気分が沈む、または怒りっぽい
●睡眠障害(不眠または過眠)
●過食、食欲不振
●急な体重減少
●自傷行為
●「死にたい」という


大人で見られる気分の落ち込みよりも、
イライラして怒りっぽくなる様子が見られることもあります。

子供は気分が変調しやすいので、
友達と遊んで笑っているからといって
必ずしも大丈夫ということはありません。
うつ病に気付くポイントは
『いつもと様子が違う』
ということです。
うつ病が疑われる症状があれば、
かかりつけ医や小児科に相談してください。
専門の医療機関としては、
児童・思春期精神科や小児科の『子供の心相談医』がいる
医療機関、心療内科などがあります。
学校の担任やスクールカウンセーに相談するのもお勧めです。


image133.gif


【治療】

治療は、本人が回復しやすい環境、
助けを求めやすい環境づくりを心がけましょう。

本人は
「放っておいてほしい」と言いながらも、
内心では、つらくて一緒にいてほしいと思っていることもあります。
こうした場合は、コミュニケーションを断たずに、
「何かしてほしいことがあったら言ってね」などと、
「私はあなたの話をいつでも聞く用意がある」
というメッセージだけは伝えておくようにしておきます。

話しを聞く場合は、
問い詰めたり、
怒ったりしないようにしましょう。
内容にかかわらず、
話してくれたことに感謝して、
ほめる気持ちで接してください。


◆ポイント

●話すことを強要しない
●どんな話もしっかりきく
●言いにくいことを言いやすくする雰囲気をつくる
●話してくれたことをほめる



■薬物治療

薬物治療を行う場合もありますが、
飲み間違いや薬の使い過ぎを防ぐために、
薬は大人が管理するようにしましょう。


■本人に知ってほしいこと

学校などに行けなくなると、
自分を責め、自己評価を下げてしまいがちです。
けれども
人はそれぞれ違う個性をもっているものです、
『みんながやっていることを自分だけができない』
などと考える必要はありません。

うつ病は『心のかぜ』と呼ばれるほど
誰もがかかる可能性があります。
かぜにかかったら、たっぷり寝て体を休めるように、
うつ病になったらゆっくり休むことです。
自分ひとりで悩みを抱えずに
信頼できる人や身近な大人に相談してみましょう。

また、自分自身を苦しめないために、
考え方を変えるのも良い方法です。
『失敗したからもうダメ』
というのは誤った思い込みです。
長い人生では何度でもやり直しができることを
知っておいてください。