BPSDは改善できる!6月13日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
東京慈恵会医科大学教授 繁田 雅弘先生です。


image130.gif【BPSDは改善できる!】

【BPSDの改善法!】

BPSDには、本人を取り巻く環境と人間関係が大きく関わっています。
そのため、本人の周囲の環境や人間関係を調整することで、
BPSDがなくなったり軽くなったりすることがあります。

このほかの改善法として、非薬物療法と薬物療法があります。
非薬物療法には、軽く体を動かす『運動療法』、
歌を歌ったり楽器を演奏して楽しむ『音楽療法』、
昔のことを思い出して語り合う『回想法』
などがあります。
これらは、デイケアやデイサービスなどで行われています。


■ケース①:入浴を拒否し、怒ってしまう

認知症の人は入浴を嫌がることがよくあります。
入浴は段取りや手順が複雑で、風呂場まで行ったり、
服を脱いだりすることも負担に感じられます。
このような負担感のほかにその人なりの理由があるかもしれません。
もともと夕方に散歩をし、
その後に入浴するのが楽しみだった
と言う人の場合は、
認知症になってから散歩をしなくなったことで、
入浴のきっかけや楽しみが失われているのかもしれません。


◆入浴を拒否するとき

理由を問いただしたり、
無理に服を脱がせるのはNG

   ↓
『たまには背中を流そうか』
『明日出かけるなら、さっぱりして出かけたら』

と提案します。

無理に服を逃がせられるのは誰でもいやなものです。
お風呂に入りたくない原因を探り、
本人が『お風呂に入りたい』と思える声かけをします。


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■ケース②:『物取られ妄想』があり、身近な人を責める

物取られ妄想では、
介護をしている最も身近な人を疑うのが最も多い例です。
介護する方としては辛いことですが、
頭ごなしに否定しないようにしてください。
本人の言うことに耳を傾けて、
一緒に探すようにします。


◆物とられ妄想があるとき

強く拒否したり、
疑う本人を非難するのはNG

    ↓
『それは大変ね』
などといって一緒に探します。


周りの人は自分のことを手伝おうとしてくれているのだと、
患者さん自身が理解すると、気持ちも落ち着いてきます。



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■ケース③:黙って出かけたり、自宅がわからなくなる

徘徊は、認知機能の低下で自分のいる場所や
時間の感覚があいまいになることが原因の1つとされています。
ですが、理由が他にあることもあります。
落とし物を探して、または誰かに会おうとして、
外出して歩いているのかもしれません。
ちょっと気晴らしに外に出ただけで、
そのことをうまく伝えられないだけなのかもしれません。

徘徊する人に接するときは、
まず外に出る理由を聞くようにしてください。
理由に耳を傾けることが、
症状の改善につながることがあります。
時には、『ここは自分の家ではない』
という返事が返ってくることもあります。
自分の家かどうかの認識があいまいになって、
それが徘徊の原因になっていることもあります。
また、“自分の考える居心地の良い家ではない”
という意味が含まれていることもあります。
本人の言葉に耳を傾けて環境を調節することで、
徘徊の症状が改善できる可能性があります。

さらに、外出を無理に止めないと言うのも一つの方法です。
外に出たい気持ちに共感することが重要です。
一緒に歩いているうちに気持ちが落ち着き、
自分から家に帰ろうとすることもあります。
このほかに、デイサービス等を利用するのもお勧めです。


◆徘徊があるとき

『認知機能が低下しているからだ』
とあきらめてしまうのはNG

    ↓
『出かける理由を聞きます』
本人は徘徊をしたいのではなく、
何か目的があって出かけているのがほとんどです。
まずはそのことに耳を傾けてください。


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■ケース④:実際は何もないのに、何かに話しかけている

幻視に話しかけているような場合、
周りの人には見えていないので強く否定しがちです。
しかし、そうすると本人はいっそう混乱してしまいます。
まずは、見えるはずのない物が見えるという
不安に共感を示すことが大切です。
また、幻視は明るい部屋から暗い部屋に移ったときによく起こります。
明るさをできるだけ一定に保つようにしてください。


◆幻覚があるとき

『変なこと言わないで』
と強く拒否するのはNG

    ↓
『そんなのが見えたら不安だよね』
と共感します。

幻覚があると本人も混乱するため、
その気持ちを受け止めます。
本人が手を叩いたり声をかけたりすると、
幻視は消えることがあるので、
それを実践してもらいます。


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■ケース⑤:トイレを失敗したり、汚れた下着を隠してしまう

認知機能が低下すると、
トイレに行ったり服を脱いだりするのに時間がかかるようになります。
また、トイレの場所がわからなくなることもあります。
このような理由からトイレの失敗が多くなり、
叱られたくないと思ったり、なんとか後始末しようと苦心して、
汚れた下着をかくしてしまったりすることもあります。
周囲の人が、
トイレ失敗した本人のつらい気持ちに共感してあげることが、
本人の辛さをやわらげることにつながります。


◆トイレの失敗をしたとき

『理由を尋ねたり、
ピリピリした雰囲気で後片付けをする』
のはNG

    ↓
『気持ちを切り替えて、
できるだけ早く片付けます』

トイレの失敗は誰でもとても傷つくものだと言うことを理解し、
必要以上に責めないようにします。
周りの人も辛いが、本人も辛いのです。
なるべく気持ちを切り替えて対処します。


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■ケース⑥:本人が一番傷ついていることを理解する

本人が大切にしていることに耳を傾けてください。
それがわかれば、
認知症の人の一見理解できない行動も理解できるようになります。
また、大切にしていることが傷つけられたときの辛さに、
共感することもできます。
そうしたことが、BPSDの改善につながり、
本人も周囲の人も楽なっていくと考えられます。