骨壊死!股関節が危ない5月9日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
近畿大学教授 宗圓 聡先生です。


image130.gif【骨壊死!股関節が危ない】

【骨壊死】

骨には血管が通っていて、
そこから栄養や酸素を取り込んでいます。

骨壊死とは、血液の流れが悪くなり、
酸素や栄養がいきわたらなくなって、
骨の一部が死んだ状態のことをいいます。

原因としては捻挫や脱臼などの外傷によるものや
病気によって血管がダメージを受けることによるものなどがあります。

骨壊死が最も多く起きるのが、股関節にある大たい骨の先端にあたる
大腿骨頭と言う部分です。
大腿骨頭に壊死が起こるのを『大腿骨頭壊死症』といい、
その多くを占めるのが『特発性大腿骨頭壊死症』です。
女性よりも男性にやや多く、
男性では40代、女性では30代が発症のピークとされています。


発症の理由はまだよくわかっていませんが、
お酒の飲みすぎやステロイドの使用に
関連して起こることが多いとされています。



■特発性大腿骨頭壊死症の進行


大腿骨頭への血流が悪くなると、
骨の一部が死んでしまう骨壊死が起こります。
この時期では、ほとんど自覚症状はありません。




壊死している部分が、
体重がかかることによってつぶれてしまいます(圧潰)。
股関節などに痛みが現れ始めます。



大腿骨頭や股関節の変形が進行していきます。
足を引きずって歩くようになったり、
痛みで歩行が困難になったりすることもあります。



■特発性大腿骨頭壊死症の検査と診断

特発性大腿骨頭壊死症は、エックス線、MRI(磁気共鳴画像)、
骨シンチグラムなどの画像検査によって診断されます。

MRIで撮影すると、
特発性大腿骨頭壊死症が起こっている場合は、
大腿骨頭に黒いバンド状の像が映ります。
バンド状より上の部位で、骨壊死が起こっています。


■特発性大腿骨頭壊死症の治療

治療には保存療法と手術があります。


◆保存療法

日常生活の中で股関節にかかる負担を軽減させるようにします。
歩くときに松葉づえを使ったり、
階段や坂道をさけてできるだけ平坦な道を歩いたり、
長距離の歩行も避けるなどがあります。

また、ベッドや椅子を用いる洋式の生活に切り替えたり、
肥満の解消にも取り組みます。


●股関節よ軟らかくストレッチ

①床に足を伸ばして座ります
②足を無理しない程度に少し広げます
③1、2、3、4と数えながら、
 ゆっくり親指側を床に近づけるように内側に回します
④1、2、3、4と数えながら、
 ゆっくり小指側を床に近づけるように外側に回します

5~6往復を1セットとして、1日2~3セット行います。


◆手術

大きく分けて2種類の手術があります。


●骨切り術

大腿骨頭の一部を切り、骨壊死した部分を、
股関節の体重のかかりにくい位置に移す手術です。

骨壊死の範囲が比較的に狭い場合に行われ、
自分の関節を残すことができます。
大腿骨頭回転骨切り術が多く行われます。
基本的に手術翌日からリハビリを行います。


●人工関節置換術

大腿骨の壊死の範囲が広い場合に行われます。
人工関節置換術には、
人工骨頭置換術と人工股関節置換術があります。

人工骨頭置換術は、大腿骨頭の部分だけを人工骨頭に替える手術で、
大腿骨頭がはまる骨盤側の軟骨が傷んでいなければ可能です。

人工股関節置換術は、骨盤側の軟骨が傷んでいる場合に行われ、
股関節全体を人工股関節に替えます。
術後は脱臼と関節症に注意が必要です。
「体育座り」「横座り」「高いステップを上る」「足を組む」
といった股関節を深く曲げる動作は、
脱臼しやすくなりますので避けてください。
また、関節症予防のためには、
手術した部位に傷をつくらないことが大切です。

両方の手術とも、3~4週間の入院が必要となります。
基本的に手術翌日からリハビリを行います。