難聴対策!最新情報 チョイス2月17日NHK

チョイス画像.png




MCは八嶋智人さん、大和田美帆さん、
チョイスコンシェルジュは新井秀和さん、
解説してくれるのは、
慶應義塾大学医学部 
耳鼻咽喉科学 小川 郁先生です。


image130.gif【難聴対策!最新情報】

聞こえずらさを感じている人は、
1,430万人もいます。

ただし、難聴といっても、
原因や治療法はさまざまあります。


【日野さん・女性43歳のケース】

日野さんはヴァイオリンコーチをしています。
去年2月に右の耳でキーンという高音の耳鳴りがして、
四六時中そんな音がしていて、
他の音は普段の半分ほどしか聞き取れない状態
で、
さらには、
人の声がどこから聞こえてくるのかわからない状態でした。
耳鼻科で検査したところ、
『突発性難聴』
と診断されました。

ある日突然起きる原因不明の難聴で、
右の耳が高度な難聴になっていました。


■発症メカニズム

耳は外側から外耳、中耳、内耳と分けられ、
内耳の蝸牛には、
音をとらえて電気的な信号に変え、
脳に伝える有毛細胞というものがあります。

そして、内耳で血流障害などが起きた場合に、
有毛細胞が壊れてしまうことがあります。
このことによって、音の信号が脳にうまく伝えられず、
音が聞きとれなくなってしまいます。


■有毛細胞

有毛細胞は再生しませんので、
難聴が起こったら、
できるだけ早く病院へ行って治療を受けることが重要です。


■日野さんの治療

ステロイドによる投薬(点滴)治療を10日間行いました。
血流障害によって起こる
有毛細胞のむくみや炎症をおさえるためです。
すると、
治療を始めて3日後には効果が実感できるようになりました。
10日目には元の状態に戻りました。


糖尿病や胃潰瘍がある人は、
ステロイドを投薬できないことがあります。
その際には、直接内耳にステロイド注射をします。


■突発性難聴

突発性難聴はお子さんから高齢者まで、
誰がなってもおかしくない病気です。
難聴と一緒に、
約8割の患者さんが耳鳴りを併発し、
約5割の患者さんがめまいを併発します。


■原因

①内耳血流の循環障害
②ウィルス感染


血流が悪くなることで、
酸素の供給が不十分になって有毛細胞が壊れてしまいます。


■突発性難聴になりやすい人

◆ストレスがたまりやすい人
◆糖尿病の人
◆不規則な生活の人
◆疲労がたまっている人


ストレスは、
自律神経の中の交感神経を緊張させてしまいます。
これによって、末端の神経が収縮してしまいます。
その結果、有毛細胞の循環障害を引き起こすことになります。


image133.gif


【北村さん・女性34歳のケース】

去年2月夫に話しかけられたときに、
すぐそばにいた夫の声がとぎれとぎれで聞こえてきて、
聞き取りずらくなりました。
3日後、病院に行ったところ、
『急性低音障害型感音難聴』
と診断されました。
低音だけが聞き取りにくくなる難聴でした。

過牛の中は有毛細胞に信号を伝えるリンパ液で満たされていますが、
このリンパ液の代謝が悪くなることで、
リンパ液が過剰にたまってしまうことがあります。
溜まりすぎたリンパ液は有毛細胞を圧迫して、
正常に働かなくします。
その結果、音が聞き取りずらくなるのです。

ステロイドを飲むことで3日ほどで症状が改善しました。
ところが、その後頭痛などに襲われるようになることに加え、
難聴の再発も起こってきました。
そこで、
ステロイドに加えて利尿薬を飲んで、
体内の水分の循環を促すことでリンパ液の代謝を活発にしました。
その結果、一カ月ほどで徐々に改善していきました。


■原因

この病気は再発を繰り返すことが多いと言われています。
そのことの主な原因はストレスにあります。
ストレスの解消がうまくいっていないためだと考えられます。

北村さんは結婚2年目で
『お子さんはまだですか』
と聞かれることがよくあって、
そのことにプレッシャーを感じていたと言います。


■改善法

医師から積極的に気分転換をするように勧められました。
そこで、何も考えずに散歩をするようにしました。
考えずに体を動かすと気がまぎれたと言います。

再発しないように、
ストレスがかかってきたり、
疲労を感じたりしたら、
気分転換をするように心がけているとのことです。


■急性低音障害型感音難聴の特徴

◆低音だけが聞こえにくい
◆耳閉感がある
◆突然起きる
◆ストレスが引き金になる
◆再発しやすい
◆若い女性に多い


女性ホルモンは体の中に水分をためやすいホルモンです。
そのため、
女性の方が水分代謝が悪くなりやすい傾向にあります。
低音が聞こえないと言うのが一番の特徴ですが、
そのときに、耳が詰まった感じで気持ちが悪いという
耳閉感を覚えることが多くあります。
さらに、低い音の耳鳴りがしたりもします。

この病気を繰り返すと、
メニエール病に移行することがあります。
メニエール病は回転性の強いめまいがして、
吐き気もあります。

予防法としては、
日ごろから水分を良く摂ることと、
ストレスをためないことです。



image133.gif


【加齢性難聴】

加齢性難聴とは文字通り年をと取るとともに
聞こえずらさが強くなる症状のことです。
加齢による難聴への影響は30代から始まっているとされています。
多くの人が60代から聞き取りずらさを自覚し、
75歳以上になると7~8割の人が
加齢性難聴になるとされています。

難聴が進むと
コミニュケーションが取れにくくなって孤立が進み、
それが認知症を招きやすくすると言われています。


■加齢性難聴を悪化させる原因

◆糖尿病
◆脂質異常症
◆高血圧
◆飲酒
◆喫煙
◆騒音


加齢性難聴は治療が難しいため、
予防に努めることと、
補聴器を使うことが対処法となります。



■補聴器

補聴器を選ぶ際には、
日本耳鼻咽喉学会が認定した
補聴器相談医のいる耳鼻科を受診してください。
補聴器を買いに行く際には、
販売店で認定補聴器技能者に相談するようにしてください。

自分の聴力にあうように補聴器を調整することが重要です。
補聴器はメガネとは違って、
買ったその場で、
すぐに音が聞き取れるようになるわけではありません。
補聴器の音に脳が慣れるまでには
3~6ケ月ほどかかるとされています。


image133.gif


【宮永さん・女性60歳のケース】

宮永さんは以前まったく聴力を失っていたことがありました。
20歳のときにロックコンサートに行き、
人よりも大きなスピーカーの前に2時間ほどいたといいます。
コンサート終了後に耳に異常を感じました。
音が明瞭に聞き取れなかったのです。
水の中にいてボコボコいっているような状態でした。
その後聴力が下がって、
どんどん聞こえずらくなっていきました。

20代後半で両耳の聴力を完全に失ってしまいました。
補聴器を装着してもほとんど聞こえず、
日常生活では筆談ですごしていました。
ですが、その後宮永さんは聴力を取り戻します。
人工内耳を装着したのです。


■人工内耳

人工内耳には手術が必要となります。
体の外には補聴器型の器具を装着し、
耳の皮膚の下には受信装置を埋め込みます。

受信装置の電極を過牛に取り付け、
脳へ音の信号を伝える手助けをします。
この治療で、最近では10人中9人が聴力を取り戻しています。
宮永さんは38歳で左耳に人工内耳を埋め込み、
55歳のときに右耳にも人工内耳を埋め込みました。
もちろん、日常生活には一切支障はありません。

人工内耳を用いるのは、
補聴器を使っても十分な効果がみられない人です。

人工内耳にかかる費用は総額で400万円ほどになります。
ですが、健康保険や各種助成金を用いることで、
自己負担は約1~20万円ほどになります。
これは、年齢や収入によって異なります。

ただし、10人に1人くらいは、
聞こえずらいという人がいます。
これは、失聴期間が長い人ほど、
そういう傾向になりやすいとされています。


image133.gif


【耳の難病】

■豊浦さん・女性80歳のケース

豊浦さんは、
高齢ということもあって左耳が聞こえなくなってしまいました。
病院で診てもらったところ、
『真珠腫性中耳炎』
による難聴という診断でした。


■真珠腫性中耳炎

鼓膜の上にできる真珠のような塊のせいで、
難聴になる中耳炎の一種です。

この塊を真珠腫といいますが、
それが炎症を起こすことでさらに大きくなったり、
炎症にともなって出る酵素が周りを溶かしたりして、
機能障害が起きて難聴になります。

真珠腫を取り除く治療を受けることで、
無事聴力を取り戻すことができるようになりました。
早期発見が、聴力回復につながりました。


■滲出性中耳炎

耳と鼻をつなぐ換気の働きをしている耳管がうまく働かず、
中耳にある鼓室という所に滲出液がたまる病気です。
これによって、
鼓膜が振動しずらくなって聞こえが悪くなります。
この病気は痛みはまったくなく、
加齢性難聴と間違われやすい病気です。

病院で検査を受けなければ診断することは難しい病気です。
ですから、年をとってきて聞こえが悪くなった場合でも、
まずは病院で診てもらうことが重要です。