早期発見!狭心症 チョイス2月10日NHK

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MCは八嶋智人さん、大和田美帆さん、
ゲストは、
チョイスコンシェルジュは牛田茉友さん、
解説してくれるのは、
公立阿伎留医療センター副院長 循環器内科医
樫田光夫先生です。


image130.gif【早期発見!狭心症】

心臓の血管が狭くなってしまうのが狭心症です。
締めつけられるような胸の痛み、強い動悸など、
症状が進むと、
血管が詰まり命を落としてしまうこともあります。

現在、日本の患者数は約60万人とされています。

また、症状(発作)が現れるときは、
寝ているとき、運転中、
さらには自覚症状がないなど、
さまざまです。


■狭心症と心筋梗塞

心臓には冠動脈という大きな動脈が3本走っていますが、
その血管の中にコブなどができて血管が狭くなってしまうのが、
狭心症です。

さらに症状が進んで血管が詰まってしまうのが心筋梗塞です。
この2つをあわせて虚血性心疾患と呼ばれています。


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【植木富士子さん・女性68歳のケース】

植木さんは日本舞踊を20年以上続けていて、
健康には自信を持っていました。
そんな植木さんでしたが、
調理中や運転中などに、
胸にしびれるような圧迫感を感じるようになりました。

お酒が好きなので、飲み過ぎかなというふうに思っていました。
その後も胸の痛みは続きましたが、
なぜか水を飲むと痛みが治まったことから、
さほど気にしていませんでした。
ところが、その後両アゴに鈍痛を感じ、
肩にも重みを感じた
ことから、
ただ事ではないと感じて病院で受診したところ、
狭心症と診断されました。
原因は動脈硬化でした。
しかも、
血管が詰まる心筋梗塞一歩手前の状態でした。


■狭心症の主な症状

●締めつけられるような胸の痛み
胸の真ん中全体が痛い

●強い動悸、息苦しさ、冷や汗、吐き気
心筋梗塞手前の症状として、
冷や汗をかいたり、
吐くというようなことがあります。
このような症状がある場合は、
すぐに病院で受診してください。

●持続時間は5~10分ほど


■狭心症の関連痛

狭心症では肩、腕、背中、歯、あご
などの部分に痛みが出ることがあります。

これは心臓の痛みを脊髄が伝えるのですが、
これらの肩や腕なども同じ神経で伝達するために、
これらの部分に痛みを覚えることがあります。

階段を上るなどの心臓に負担をかける時など、
通常、狭心症は運動をしたときに起きます。

毎日同じ動作をするときに、
発作が起きると言う人もいます。


■検査

◆問診


●痛みの場所
●持続時間
●どんな時に起きたのか
●心臓病の経験は
●血縁に心臓病は
●大病の経験は
●服用中の薬は
●健康診断や人間ドッグで注意されていることは
●喫煙、飲酒などの生活習慣

受診する際には、発作が起きていない状態がほとんどです。
ですから、発作が起きたときに、
症状をメモしておくことが重要です。


◆検査

●安静時心電図検査
●X線検査
●血液検査
●超音波検査
●運動負荷心電図検査


高齢者などで『運動負荷心電図検査』が受けられない人は、
『薬剤負荷心筋シンチグラム』という検査で代用します。


◆動脈の検査

●CT画像検査
(冠動脈の様子を調べます)
●血管造影検査
ただし、腎臓の悪い人には造影剤の使用に注意が必要です。


■治療

狭心症の場合は症状が軽度の場合は薬を使って治療を行いますが、
狭窄が75%以上進んでいると手術が必要となります。

投薬治療では、
症状を予防する薬、
動脈硬化を改善する薬、
血栓を防ぐ薬、
発作が起きたときに症状を沈める薬

などが症状別に用いられます。


◆ステント治療

植木さんはステント治療を受けました。
手首や腕、足の付け根の血管から
約1.5mmの管を入れ、
患部でステントと呼ばれる
金属製バルーン膨らませて血管の狭窄を改善します。

後には、バルーンだけが血管に残ります。
術後はすぐに歩いたり、食事もできます。

治療にかかる時間は約30分、
3~4日の入院となります。
ただし、
たくさんの狭窄がある場合、
糖尿病などで血管が細い場合、
腎臓病などで血管が石灰化している場合は、
ステンス治療を受けることができない場合があります。

長所は、
体に負担が少なく再発しても治療を繰り返せること。
短所は、
別の場所で再発することがある点などです。
費用は3割負担で30万円ほどですが、
高額療費制度が適用されます。


◆バイパス治療

ステント治療が受けられない場合は、
バイパス治療を用います。

これは、
大動脈と狭窄の先の血管をバイパス(う回路)でつなぐ手術です。
バイパスには足や腕の静脈などが用いられます。
入院期間は約15~30日です。

長所は、再発することはまれなこと。
短所は、
体の負担が大きく再手術の場合のリスクが高い点です。
費用は3割負担で140万円ほどですが、
高額療費制度が適用されます。




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【山口俊晴さん・男性69歳のケース】

3年前に狭心症が見つかりました。
首の血管に動脈硬化が見つかったため、
心臓の検査を受けたところ狭心症と診断されました。
自覚症状はなかったのですが、
冠動脈の一部がほとんど詰まりかけていました。

自覚症状がなかった原因として、
高齢であったり、糖尿病であったりして、
神経障害がでていて痛みを感じにくくなったりすることがあります。
また、腎機能が悪い人も痛みがでにくいということがあります。

このような自覚症状が出にくい人は、
定期検査を受けることが重要です。

とくに冠動脈の危険因子としての
高血圧、コレステロール値が高い、
闘尿病、肥満、喫煙
などがある人は定期的な検査が重要です。

ただし、このような検査は保険適応外のこともありますので、
自治体で実施している特定検診を受診してくだい。
特定検診の報せはハガキが送られてきます。


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【萩原俊秀さん・男性37歳のケース】

4年前から早朝5時頃、
心臓のあたりに鈍痛を感じるようになりました
が、
年に2~3回、5分ほどのことでしたので、
病院へはいきませんでした。
ところが、
1年半前に激しい痛みを感じるようになりました。
そのときはぐーっとくるような痛みで、
我慢するのが辛いという締めつけられるような痛みでした。

その日のうちに検査を受けたのでしたが、
心臓の検査では何も異常は見つかりませんでした。

萩原さんは冠動脈が狭くなって起こる狭心症ではなく、
冠動脈がけいれんして狭心症が起こる、
けいれん型狭心症と診断されました。
このタイプの狭心症は安静時に起こることから、
安静時狭心症とも呼ばれています。

萩原さんは血管を広げる作用のある薬を用いて治療を行っています。
また、血糖値が高いことからこれを下げる薬も服用しています。
さらに、発作が起きたときのために、
症状を鎮めるニトログリセリンも処方されています。

けいれん型狭心症の特徴として、
早朝に発作が起こることが多いということがあります。

早朝になるとそれまで副交感神経が優位だったものが、
交感神経が優位になってくるために、
自律神経のバランスが乱れて発作が生じると考えられています。
発作が起きても、
ニトログリセリンを飲めば症状は治まります。

けいれん型狭心症は、
狭心症全体の40%にあたり、
なりやすいタイプの人は、
喫煙者、若い世代に多いとされています。
日常生活の中の肉体的・精神的なストレスが原因とされています。

けいれん型狭心症の場合は、
検査では異常が見つけられないことが多くありますので、
問診がとても大事となります。



■冬場の注意点

心臓病では冬場に亡くなる人が多くいます。
冬場など気温が下がってくると、
体は体温を維持しようとして血管を収縮させます。
収縮した血管は狭窄があると、
よけいに狭窄されてしまうことになるからです。
このようなことを防ぐためには、
気温差をなくす工夫が必要となります。

●外出するときには保温効果の高い服装を心がける
●マスクをする
●トイレや浴室を温かくする
●家の中では靴下やスリッパをはき、
 冷たい床にじかにふれないようにする
●下半身を鍛えて血の巡りをよくする


胸の痛みで異常を感じたら、
まず医療機関を受診してください。