慢性腎臓病・透析と腎臓移植2月8日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
筑波大学教授 山縣 邦弘先生です。


image130.gif【慢性腎臓病・透析と腎臓移植】

腎臓の機能が著しく低下すると、
尿をほとんど作ることができなくなり、
老廃物や塩分などが排泄できず体にたまるようになります。
そうなると、腎臓機能の代わりをする治療が必要となります。
具合的には、血液透析、腹膜透析、腎臓移植です。


【血液透析】

専門の医療機関に週3回ほど通い、
1回に4~5時間かけて全身の血液を機械できれいにします。
血液を機械に送り老廃物や水分、塩分などをろ過して、
きれいになった血液を体内に戻します。

毎回腕に針を刺して大量の血液を送るために、
腕の動脈を針の刺しやすい静脈につないでおく
内シャントをつくる手術が、
透析療法を始める1カ月ほど前に行われます。

透析によって水分が一気に排出されると、
急激に水分が減ることで血圧が下がることがあります。
また、体内のさまざまな物質の濃度が変わることで、
頭痛、吐き気、筋肉のけいれんが起こる場合があります。
仮に起こっても次第に起こりにくくなります。


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【腹膜透析】

自分の腹膜を利用して血液をきれいにする方法で、
病院に行って機械を使うことなく行えます。

腹膜は胃、腸、肝臓などを覆っている膜で、
この内部の腹膜を用いますが、事前に手術が必要です。
この手術は、腹膜透析用のカテーテルを腹腔に埋め込むもので、
そこから自分で透析液を腹腔内に入れます。

腹膜にはごく細い血管が網の目のように走っており、
そこから血液中の老廃物、水分、
塩分などが透析液の中にしみ出ていきます。
数時間後、透析液を体の外に排出して、
新しい透析液と交換します。
透析液の交換は、1日3~5回行いますが、
1回の交換は30分程度で行えます。
交換は清潔な場所であれば、
自宅でも外出先でも自分で行うことができます。

これ以外に、専用の機器を用いて、
自宅で睡眠中に1日1回だけ透析液をまとめて交換する方法もあります。
長所としては、
病院の受診が月に1~2回ですむことで、
それ以外の時間は普段通りにすごすことができます。
短所は、水分を排出する量が安定しないことで、
完全には排出できない場合もあることから、
同時に週1回血液透析を受ける方法もあります。
また、カテーテルからの感染に注意が必要で、
細菌感染や腹膜炎を発症したり、
まれに腸閉そくを起こすこともあります。

さらに、腹膜透析を長く続けると腹膜が劣化するために、
5年程度で血液透析や腎臓移植に移行することがあります。


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【腎臓移植】

腎臓移植には、家族などから腎臓の提供を受ける生体腎移植と、
亡くなった人から提供を受ける献腎移植があります。
献腎移植は、
脳死または心臓死のどちからからでも提供が受けられます。
移植後は多くの人が、
健康な人とかわりない程度まで
腎機能を回復させることができます。
正常に機能する割合は生体腎移植で
1年後で約99%、5年後で約95%です。
5年後の生存率は約97%です。

献腎移植の場合は、これよりもやや低くなります。

また、移植後は拒絶反応をおさえるために
免疫抑制剤を飲み続けなければなりません。
免疫抑制剤は副作用が多いために、
それを抑える薬も飲み続けなければなりません。

腎臓を提供した人は

やや腎機能が低下して
高血圧になる人もいますが、
透析療法に至るようなことはそれほどありません。

2015年の日本の腎臓移植件数は1661件で、
494件が生体腎移植です。