あなどれない病的近視 5月25日今日の健康NHK

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MCは黒沢保裕さん、岩田まこ都さん、
解説してくれるのは、
香川大学 筧 善行先生です。


image130.gif【あなどれない近視!病的近視】

【病的近視とは】

病的近視とは、近視で眼球が伸び、その後部に変形が起き、
眼底にさまざまな異常をきたす病気です。
病的近視の多くにぶどう腫と呼ばれる
眼球に後ろがポコッと飛び出る変形が見られます。

眼球の後部には、視神経や網膜があり、
網膜の中心には、最も視力と関係の深い黄班(おうはん)があります。
そこに、ぶどう腫ができると、
視神経や黄班が後ろに引き伸ばされて障害が起こり、
眼鏡などを使っても視力の回復が難しくなります。

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【病的近視の合併症】

病的近視では、さまざまな合併症が起こってきます。
主な合併症は、
近視性脈絡膜新生血管、菌姿勢けん引黄班症、緑内障の3つです。


◆近視性脈絡膜新生血管

一番多いのが近視性脈絡膜新生血管です。
黄班部の網膜が引き伸ばされて亀裂が生じ、
本来血管のない黄班部に、
脈絡膜から新しい血管(新生血管)が伸びてくる病気です。
新生血管はもろく出血しやすいため、黄班部で出血すると、
「視界の中心部が見えない」「ゆがんで見える」
といった症状が現れます。


◆近視性けん引黄班症

次に多いのが近視性けん引黄班症です。
黄班部の網膜が、
眼球の変形に耐えられなくなって剥がれてしまう病気です。
その前段階として、網膜が引き伸ばされて網膜の分離が起こるのが特徴です。
分離したり、剥がれたりすると、
黄班部が障害されるため、視界の中心部が見えにくくなります。


◆緑内障

緑内障は視野が欠けるなどの自覚症状があまりなく、
気付かないうちに進行してしまい、
失明する危険性があります。
緑内障は眼圧の上昇などによって、
視神経が障害されて視野が欠けてくる病気です。

特に、病的近視がある人は、
眼球の変形にともない視神経も変形している人が多く、
眼圧が正常でも緑内障を発症しやすくなると考えられています。
また、視神経の変形が複雑なので、
眼底検査で緑内障を見つけることも難しくなります。


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【病的近視の予防】

子どもの近視の増加や近くで物を見る作業が増えたことが、
病的近視のある患者さんの増加につながるのではなかと懸念されています。
また、病的近視のある人は、
子供のころから視神経の周りに黄色い萎縮が見られることがあります。

学童期に、眼底にこうした特徴がみられると、
将来、病的近視を発症するリスクが高いと考えられ、
慎重に経過を見る必要があります。
治療の研究も勧められており、近い将来、
病的近視の予防や進行を抑える治療が可能になることが期待されています。
病的近視が疑われる場合は、
まずはかかりつけの眼科を早めに受診してください。